偏平足とは?原因・症状・改善方法を徹底解説

1. 偏平足とは?

偏平足(へんぺいそく)とは足の土踏まず(アーチ)が低くなったり、無くなったりする状態を指します。

通常 人間の足には「内側縦アーチ」と呼ばれる土踏まずがあり、これがクッションの役割を果たして歩行時の衝撃を吸収しています。

しかし、偏平足の人はこのアーチが低下し、足の裏全体が地面に接する状態になります。

偏平足は小さい子どもにも多く見られますが成長とともに足の筋肉や靭帯が発達し、自然に土踏まずが形成されることがほとんどです。

しかし、大人になっても土踏まずが形成されない場合や後天的に偏平足になるケースもあります。

偏平足はスポーツや日常生活での歩行に影響を与え、疲れやすさや痛みの原因となります。


2. 偏平足の種類

偏平足には大きく分けて2つの種類があります。

① 先天性偏平足

生まれつき足のアーチが形成されにくいタイプです。

遺伝的な要因が関係していることが多く、小さいころから足の形が平坦なまま成長することがあります。

② 後天性偏平足

成人になってから足のアーチが低下するタイプです。

長時間の立ち仕事や運動不足、加齢、体重増加などが原因で発生することが多いです。

中年以降の女性に多く見られる「後脛骨筋機能不全(こうけいこつきんきのうふぜん)」という状態が関係している場合もあります。


3. 偏平足の主な原因

偏平足の原因はさまざまですが、主に以下のような要因が影響します。

① 足の筋力低下

足のアーチを支える「後脛骨筋(こうけいこつきん)」や「足底筋群(そくていきんぐん)」が弱くなると、アーチを維持できず、偏平足になりやすくなります。運動不足や加齢による筋力低下が主な原因です。

② 足の靭帯(じんたい)の緩み

靭帯は骨と骨をつなぐ組織ですが、生まれつき靭帯が柔らかい人は、アーチを維持しにくく、偏平足になりやすい傾向があります。また、妊娠中の女性はホルモンの影響で靭帯が緩みやすく、一時的に偏平足になることがあります。

③ 長時間の立ち仕事や歩行

長時間立ちっぱなしの仕事をしている人や、長距離を歩くことが多い人は、足の筋肉や靭帯に負担がかかり、アーチが徐々に崩れていくことがあります。特に硬い床の上での立ち仕事は、偏平足を悪化させる要因になります。

④ 体重の増加

体重が増えると足への負担が大きくなり、アーチを維持する筋肉や靭帯に過剰な負担がかかります。これにより、徐々に土踏まずが低くなり、偏平足が進行することがあります。

⑤ 不適切な靴の使用

足に合わない靴を履くことも、偏平足の原因になります。特に、クッション性のない靴やサポート力のないフラットな靴(例えばスリッパやサンダル)を長時間履くと、足のアーチが崩れやすくなります。また、ヒールの高い靴もアーチに負担をかけるため、注意が必要です。


4. 偏平足による症状

偏平足になると、以下のような症状が現れることがあります。

① 足の疲れやすさ

土踏まずのアーチが衝撃を吸収できないため、歩いたり立っているだけで足が疲れやすくなります。特に長時間の歩行後に強い疲労を感じることがあります。

② 足の痛み(足底筋膜炎)

足の裏に過度な負担がかかることで、炎症を起こし、痛みが生じることがあります。特にかかとや土踏まずの部分が痛くなることが多いです。

③ ひざ・腰・背中の痛み

足のアーチが崩れると、歩行時の衝撃がうまく吸収されず、ひざや腰、背中にも負担がかかります。その結果、慢性的なひざ痛や腰痛を引き起こすことがあります。

④ 歩行バランスの崩れ

偏平足の人は歩き方に特徴があり、足の内側に重心がかかりやすくなります。そのため、O脚やX脚になりやすく、姿勢の乱れにつながることがあります。


5. 偏平足の改善・予防方法

① 足の筋力を鍛えるエクササイズ

足のアーチを支える筋肉を鍛えることで、偏平足を改善することができます。

  • タオルギャザー

    1. 床にタオルを敷き、裸足でタオルを足の指で手繰り寄せる。
    2. 1回10回を目安に、1日2〜3セット行う。
  • かかと上げ運動(カーフレイズ)

    1. 足を肩幅に開いて立ち、つま先立ちをする。
    2. 5秒キープした後、ゆっくりかかとを下ろす。
    3. 10回×2セットを目安に行う。

② 適切な靴を選ぶ

  • 土踏まずをサポートするインソールが入った靴を選ぶ。
  • クッション性があり、衝撃を吸収できる靴を履く。
  • 長時間の歩行時は、サンダルやヒールを避ける。

③ 足裏マッサージ

足の裏をほぐすことで、血行を促進し、筋肉の柔軟性を保つことができます。テニスボールやゴルフボールを使って、足の裏を転がすマッサージもおすすめです。

④ 体重管理

適正体重を維持することで、足への負担を減らし、偏平足の進行を防ぐことができます。


6. まとめ

偏平足は、足のアーチが低下することで起こる状態で、放置すると足の疲れや痛み、姿勢の乱れにつながります。先天性のものもありますが、後天的な原因で発生することも多いため、日頃のケアが重要です。

偏平足を予防・改善するためには

  • 足の筋力を鍛えるエクササイズを継続する
  • 適切な靴やインソールを使用する
  • 足裏マッサージを取り入れる
  • 体重管理を意識する

こうした対策を行いながら、足の健康を保つことが大切です。